False Islandのキャラブログ。日記ログとか絵とかネタとか色々。
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探索の合間。
チクチクする草原に座り込んだまま、頭上を見上げてみた。どこまでも突き抜ける青い空と、綿をちぎってまき散らしたような白い雲が見える。見ていてとても気持ちのいい空で「ここが地下にある遺跡の中」という異常性さえなければもう少し素直に感心出来る景色だった。地下なのに空と太陽があり、平原や砂地どころか森や山まであるというこの遺跡の不思議さは三度目になっても相変わらずだ。
(……まぁ、普通に地下ってのも嫌だから、これはこれでいいんだけどさ)
そう思いながら溜め息を吐く。俺は元々、地下はちょっと苦手だ。外が見えないから妙な息苦しさを感じるし、時間の感覚が麻痺して自分がどれだけそこにいるのか、今が一体何時なのかさえ解らなくなる。
そこまで考えたところで、ガキの頃に魔法学校の図書館に閉じ込められかけたときの事を思い出してしまい、俺はぶるりと身震いした。
そこの図書館は地下にあって、無数の書庫と閲覧室からなっていた。
当時13歳だった俺は宿題を片付けようと、一番端っこの閲覧室で必死になって本に齧りついていた。確か軽いレポート課題か何かだったはずだが、ド田舎から出てきたばかりの俺にはかなりの難題だったのだ。
魔法教育があまり活発でない土地でしかも田舎とくれば、そこで受けた魔法教育の水準などたかが知れている。そんな中で俺は多少要領がよく、多少魔法の授業で良い点数がとれていただけに過ぎないヒヨッコだった。少し都会だった隣町の魔法学校に来てまず俺が思い知ったのは、自分があの田舎町でどれだけ調子に乗っていたのか、ということだった。
そんなこんなで俺はその日の放課後、下宿先の飯の時間も忘れて図書館に引き込もっていた。資料に没頭して、どれぐらい時間が経ったろうか。ぐぎゅう、という間抜けな音に俺は我に帰った。気がつかないうちに腹が減っていたらしい。
今日はこの辺りで引き上げるかと時計を見て愕然とした。針は午後7時56分を指していた。図書館の閉館時間は午後8時。咄嗟に、俺がいる閲覧室は利用者が少ない区画であり閉館時間が来ると同時に鍵を掛けられてしまう場所の一つであることを思い出した。
しかも俺がいた位置はかなり見え辛い場所で、見回りに来た職員は俺を見落としてしまったらしい(当時俺がかなりのチビだったってのもあるだろう)。
そして閲覧室の明かりは外部から魔法で灯されている。閲覧室が閉じられたら当然明かりも消されるだろう。
つまり、このまま閉じ込められたら俺は真っ暗闇の中、空きっ腹を抱えて朝9時の開館を待たなければならなくなるのだ。
そのことに考えが至ったところでようやく恐怖が襲ってきた。俺は本を書架に戻すのも忘れ、荷物だけはかろうじてひっ掴んだまま、みっともなく入口に向かって走り出した。
結局、無事に外には出られた。しかし下宿先の叔母にはさんざん叱られ、雨のように説教を浴びたあげくようやく冷めた晩飯にありつけたのだった。まったく情けないザマだったと今でも思う。
ちゃんと時計を確認していなかった俺も馬鹿だったが、これが窓のある場所だったならもう少し話も違っていんじゃなかろうか。外がまさか夜になっているとは思わなかった。ちょっと長居して調べよう、というぐらいの気持ちだったのだが。
その点においてこの遺跡に(偽物とはいえ)実際の時間と連動した空があるのは嬉しかった。……実際とずれてたらまぁ、その時はその時だ。息が詰まらないだけマシだろう。
そんな事をつらつら考えていた所で、ぐぎゅぐぐぅ、と腹が鳴った。偽の太陽は南中を少し過ぎたところだ。もう正午過ぎか。腹も減るわけだ……。
俺は立ち上がって服についた草を払った。ちょっと散歩するっつって出てきたからな。そろそろ帰らねーとロージャがうるさそうだ。
普段の杖の小言を思い出して溜め息を吐きつつ、俺はハイダラ達がいる拠点に向かって歩き出した。
チクチクする草原に座り込んだまま、頭上を見上げてみた。どこまでも突き抜ける青い空と、綿をちぎってまき散らしたような白い雲が見える。見ていてとても気持ちのいい空で「ここが地下にある遺跡の中」という異常性さえなければもう少し素直に感心出来る景色だった。地下なのに空と太陽があり、平原や砂地どころか森や山まであるというこの遺跡の不思議さは三度目になっても相変わらずだ。
(……まぁ、普通に地下ってのも嫌だから、これはこれでいいんだけどさ)
そう思いながら溜め息を吐く。俺は元々、地下はちょっと苦手だ。外が見えないから妙な息苦しさを感じるし、時間の感覚が麻痺して自分がどれだけそこにいるのか、今が一体何時なのかさえ解らなくなる。
そこまで考えたところで、ガキの頃に魔法学校の図書館に閉じ込められかけたときの事を思い出してしまい、俺はぶるりと身震いした。
そこの図書館は地下にあって、無数の書庫と閲覧室からなっていた。
当時13歳だった俺は宿題を片付けようと、一番端っこの閲覧室で必死になって本に齧りついていた。確か軽いレポート課題か何かだったはずだが、ド田舎から出てきたばかりの俺にはかなりの難題だったのだ。
魔法教育があまり活発でない土地でしかも田舎とくれば、そこで受けた魔法教育の水準などたかが知れている。そんな中で俺は多少要領がよく、多少魔法の授業で良い点数がとれていただけに過ぎないヒヨッコだった。少し都会だった隣町の魔法学校に来てまず俺が思い知ったのは、自分があの田舎町でどれだけ調子に乗っていたのか、ということだった。
そんなこんなで俺はその日の放課後、下宿先の飯の時間も忘れて図書館に引き込もっていた。資料に没頭して、どれぐらい時間が経ったろうか。ぐぎゅう、という間抜けな音に俺は我に帰った。気がつかないうちに腹が減っていたらしい。
今日はこの辺りで引き上げるかと時計を見て愕然とした。針は午後7時56分を指していた。図書館の閉館時間は午後8時。咄嗟に、俺がいる閲覧室は利用者が少ない区画であり閉館時間が来ると同時に鍵を掛けられてしまう場所の一つであることを思い出した。
しかも俺がいた位置はかなり見え辛い場所で、見回りに来た職員は俺を見落としてしまったらしい(当時俺がかなりのチビだったってのもあるだろう)。
そして閲覧室の明かりは外部から魔法で灯されている。閲覧室が閉じられたら当然明かりも消されるだろう。
つまり、このまま閉じ込められたら俺は真っ暗闇の中、空きっ腹を抱えて朝9時の開館を待たなければならなくなるのだ。
そのことに考えが至ったところでようやく恐怖が襲ってきた。俺は本を書架に戻すのも忘れ、荷物だけはかろうじてひっ掴んだまま、みっともなく入口に向かって走り出した。
結局、無事に外には出られた。しかし下宿先の叔母にはさんざん叱られ、雨のように説教を浴びたあげくようやく冷めた晩飯にありつけたのだった。まったく情けないザマだったと今でも思う。
ちゃんと時計を確認していなかった俺も馬鹿だったが、これが窓のある場所だったならもう少し話も違っていんじゃなかろうか。外がまさか夜になっているとは思わなかった。ちょっと長居して調べよう、というぐらいの気持ちだったのだが。
その点においてこの遺跡に(偽物とはいえ)実際の時間と連動した空があるのは嬉しかった。……実際とずれてたらまぁ、その時はその時だ。息が詰まらないだけマシだろう。
そんな事をつらつら考えていた所で、ぐぎゅぐぐぅ、と腹が鳴った。偽の太陽は南中を少し過ぎたところだ。もう正午過ぎか。腹も減るわけだ……。
俺は立ち上がって服についた草を払った。ちょっと散歩するっつって出てきたからな。そろそろ帰らねーとロージャがうるさそうだ。
普段の杖の小言を思い出して溜め息を吐きつつ、俺はハイダラ達がいる拠点に向かって歩き出した。
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