False Islandのキャラブログ。日記ログとか絵とかネタとか色々。
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「あー……、あっちぃ……」
だらしない声を垂れ流しながら、はたはたとシャツの襟を揺らして風を入れた。ズボンと脚の皮膚の間に熱気が溜まって渦巻いているようで、そんな想像ばかりするから余計に暑い。
時折下着一枚になりたい衝動に駆られるが、いくらここに野郎しかいないからといってそれはあんまりだろうと思いとどまる。三十路男の体なんぞ見せびらかすもんじゃない。
「ううう、お前たちの魔力が、たっぷりあれば、こんな熱気、吹き飛ばせるだろうに……」
「申し訳ございません。我らが至らぬばかりに……」
「う、いや、まあ、うん……」
隣ではやはり暑さに苦しむハイダラが、従者のカディムとそんな事を話していた。二人の様子に苦笑いしながら、俺は後を続ける。
「いや、この木陰のおかげで随分ましだ。助かってるよ」
ここはハイダラが拠点にしている不可思議な空間、通称『木陰』だ。カディムの本体である絨毯もここに敷かれていて、いつでも涼しく吹く風と、冷たい水を満たした泉がある。この猛暑の中にあっては木陰でも暑さは感じるのだが、『外』と比べれば遥かに過ごしやすい場所だった。
ただ、まぁ、暑いものは暑い。夏だからしようがないのだけれど、それでも暑い。俺はいつもの服装ではとても過ごせなくて、上着を脱いでシャツの襟をあけて袖を捲って、という有様だった。
しかし、俺なんぞまだ序の口だ。
主を宥めている、長身の黒い影に向かって問いかけてみる。
「……前から聞こうと思ってたんだけどさ、カディム。その格好暑くねーのかい?」
詰め襟に飾り帯に長ズボンという重装備の出で立ちをしたカディムは、少し疲れは見えるものの(恐らくそれは暑さの疲れではなく、この空間を維持するための消耗だろう)、落ち着いた様子で答えた。
「いつもより暑いな、とは思いますが、脱ぐほどではございません」
「マジで?」
「……おまえはそこまで暑くなくても、見目が暑苦しい。見ている方まで暑い」
「わたくしごときのものが、礼を失する格好で御前に罷り出るわけには参りません」
ハイダラの言葉をさらりと返すカディムに思わず吹き出しそうになる。うー、と呻くハイダラに、絨毯の端に置かれていた杖が声をかけた。
『ハイダラは暑さに弱いよねえ。大丈夫?』
「うう、ロージャ。心配してくれてありがと……あ、ちょっとひんやりしてる……」
確かにロージャは金属で出来ているから、布や木よりは冷たいだろう。だけどこの暑さだもんなぁ、どこまで保つんだろ……。
そんな俺の思考を知って知らずか、ロージャは嬉しそうにちかちか光っている。
『ははは、なんだか照れるよ』
「あ、もうぬるくなった」
『せっかく照れたのに!』
ハイダラが柄を手放すのと同時に、杖がやたらと大袈裟な声を上げた。……案の定そんなに保たなかった。だよなぁ。
それでもロージャはけらけら笑った。ハイダラがくすくす笑い出して、俺もつられて笑う。カディムの表情も、大分柔らかい。
笑いながらごろん、と絨毯に横になった。
さて、これからどうしよう。また水着を借りて、海にでも入ろうか。そういや以前、何かの拍子で潜水の術を覚えていたのに、気がつけば全然使っていない。
それで、少し遊んでみよう。
(思った以上に潜水の術の持続時間が短くてがっくりし、海から上がった途端杖に半魚人呼ばわりされるのは、その少しあとの話)
SummerVacation「昼」……参加中!
だらしない声を垂れ流しながら、はたはたとシャツの襟を揺らして風を入れた。ズボンと脚の皮膚の間に熱気が溜まって渦巻いているようで、そんな想像ばかりするから余計に暑い。
時折下着一枚になりたい衝動に駆られるが、いくらここに野郎しかいないからといってそれはあんまりだろうと思いとどまる。三十路男の体なんぞ見せびらかすもんじゃない。
「ううう、お前たちの魔力が、たっぷりあれば、こんな熱気、吹き飛ばせるだろうに……」
「申し訳ございません。我らが至らぬばかりに……」
「う、いや、まあ、うん……」
隣ではやはり暑さに苦しむハイダラが、従者のカディムとそんな事を話していた。二人の様子に苦笑いしながら、俺は後を続ける。
「いや、この木陰のおかげで随分ましだ。助かってるよ」
ここはハイダラが拠点にしている不可思議な空間、通称『木陰』だ。カディムの本体である絨毯もここに敷かれていて、いつでも涼しく吹く風と、冷たい水を満たした泉がある。この猛暑の中にあっては木陰でも暑さは感じるのだが、『外』と比べれば遥かに過ごしやすい場所だった。
ただ、まぁ、暑いものは暑い。夏だからしようがないのだけれど、それでも暑い。俺はいつもの服装ではとても過ごせなくて、上着を脱いでシャツの襟をあけて袖を捲って、という有様だった。
しかし、俺なんぞまだ序の口だ。
主を宥めている、長身の黒い影に向かって問いかけてみる。
「……前から聞こうと思ってたんだけどさ、カディム。その格好暑くねーのかい?」
詰め襟に飾り帯に長ズボンという重装備の出で立ちをしたカディムは、少し疲れは見えるものの(恐らくそれは暑さの疲れではなく、この空間を維持するための消耗だろう)、落ち着いた様子で答えた。
「いつもより暑いな、とは思いますが、脱ぐほどではございません」
「マジで?」
「……おまえはそこまで暑くなくても、見目が暑苦しい。見ている方まで暑い」
「わたくしごときのものが、礼を失する格好で御前に罷り出るわけには参りません」
ハイダラの言葉をさらりと返すカディムに思わず吹き出しそうになる。うー、と呻くハイダラに、絨毯の端に置かれていた杖が声をかけた。
『ハイダラは暑さに弱いよねえ。大丈夫?』
「うう、ロージャ。心配してくれてありがと……あ、ちょっとひんやりしてる……」
確かにロージャは金属で出来ているから、布や木よりは冷たいだろう。だけどこの暑さだもんなぁ、どこまで保つんだろ……。
そんな俺の思考を知って知らずか、ロージャは嬉しそうにちかちか光っている。
『ははは、なんだか照れるよ』
「あ、もうぬるくなった」
『せっかく照れたのに!』
ハイダラが柄を手放すのと同時に、杖がやたらと大袈裟な声を上げた。……案の定そんなに保たなかった。だよなぁ。
それでもロージャはけらけら笑った。ハイダラがくすくす笑い出して、俺もつられて笑う。カディムの表情も、大分柔らかい。
笑いながらごろん、と絨毯に横になった。
さて、これからどうしよう。また水着を借りて、海にでも入ろうか。そういや以前、何かの拍子で潜水の術を覚えていたのに、気がつけば全然使っていない。
それで、少し遊んでみよう。
(思った以上に潜水の術の持続時間が短くてがっくりし、海から上がった途端杖に半魚人呼ばわりされるのは、その少しあとの話)
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