False Islandのキャラブログ。日記ログとか絵とかネタとか色々。
キャラロールがぽんと飛び出ますので苦手な方はご注意を。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
変な夢を見た。
うららかな日差しが降り注ぐ田舎道を一人で歩いている。道は登り坂になっているが歩くのに苦痛を感じないくらい緩やかだ。周りにも俺と同じように散歩を楽しんでいる連中がいて、皆楽しそうに歩いている。俺も上機嫌で坂を登る。
違和感を感じたのは、坂の終わりに差し掛かった時だ。
不意に「この先に行ってはいけない」と感じて俺は足を止めた。周囲の連中はどんどん坂の向こうに行ってしまう。
まずい、あれが来る。
そう悟った瞬間、物凄い恐怖に襲われて俺は踵を返した。全速力で坂を駆け降りる。
先に行った連中はもう駄目だ。俺だけでも逃げないと。
そう思って足を動かすのだけれど、下り坂だと言うのにちっとも前に進めない。辺りの風景は相変わらず穏やかな田舎道のままなのに、空気だけがやたらと重く、俺の手足にまとわりつく。
後ろから妙な気配がする。形容しづらい鳴き声が聞こえる。獣の声というより人の声に近いのだが、何を言っているのかさっぱり分からない。焦りに追われてただ走る。
そうして走っているうちに、坂の終わりが見えてきた。道の脇に小さな小屋がある。そこが地下道に続いていて、玄関には鍵がついていることを俺は知っている。あそこに逃げてやり過ごそう。
あと少しで追い付かれる、というところで俺は小屋に駆け込んだ(都合良く玄関の扉は開けっぱなしになっていた)。急いで扉を閉めようとしたが、何かに引っ掛かって閉まらない。途端、あれが腕を掛けて扉をこじ開けようとしていることに気がつきゾッとする。
それなのにあれの姿は何も見えない。気配だけだ。
半狂乱になりながら全力で扉を押すと、じりじりとせり合ったあと、どうにか扉を閉めることができた。しかし、相変わらず強い力で圧迫されている。それを押し止めるのに精一杯で、鍵を締めることができない。
どうする、どうすればいい?
悩んでいるうちに目を覚ました。
まだ明け方で、起きるには早すぎる時間帯だった。夢の中の恐怖がまだ俺の体に残っていて、びりびりと痺れるように手足が疼く。まだあれに追われているような気がして落ち着かず、身動きするのが怖かった。
目だけを動かして、ゆっくりと辺りを見回す。ごく普通の、夜明け前の平原が広がっている。何もおかしなところはない。俺はようやく安心して、溜め息をついた。
最近どうも、夢見が悪い。覚えているものは大抵悪夢だし、覚えていなくても嫌な余韻が全身に残っている場合が多かった。悪夢は何かに追われている内容がほとんどだ。
そう言えば、逃げたい何か、直視したくない何かがあると追われる夢を見るようになると聞いたことがある。
……逃げたいこと、か。心当たりがありすぎて逆に笑えてくる。前は、そう、今の島に来た辺りまではある程度向き合えていたはずなのだけれど、最近はもっぱら逃げてばかりだ。いい加減、潮時なのかもしれない。
そこまで考えて、俺はまた溜め息をついた。何故か白い呼気が出た。息が白くなるほど寒くはないのに、何度息を吐いても白かった。
寝起きで惚けていたからか、自分の息が吐き出す側から凍っていることに気がつくまで少し時間がかかった。
……雨露霜雪の制御がうまくできていないんだろうか? 確かにあれは水や氷を操る術ではあるが、それにしたって息に含まれる水分まで凍るもんなんだろうか。そもそも俺は凍らせる方は不得手なはずなんだが。
――まぁ、恐らくただ単純に「調子が悪い」のだろう。今は変な夢を見たばかりで心身共に疲れている。二度寝なり何なりして、体力回復に努めた方が良さそうだ。
そんな風に自分を納得させてから、俺は再び眠るべく目を閉じた。
今度は何も見なかった。
うららかな日差しが降り注ぐ田舎道を一人で歩いている。道は登り坂になっているが歩くのに苦痛を感じないくらい緩やかだ。周りにも俺と同じように散歩を楽しんでいる連中がいて、皆楽しそうに歩いている。俺も上機嫌で坂を登る。
違和感を感じたのは、坂の終わりに差し掛かった時だ。
不意に「この先に行ってはいけない」と感じて俺は足を止めた。周囲の連中はどんどん坂の向こうに行ってしまう。
まずい、あれが来る。
そう悟った瞬間、物凄い恐怖に襲われて俺は踵を返した。全速力で坂を駆け降りる。
先に行った連中はもう駄目だ。俺だけでも逃げないと。
そう思って足を動かすのだけれど、下り坂だと言うのにちっとも前に進めない。辺りの風景は相変わらず穏やかな田舎道のままなのに、空気だけがやたらと重く、俺の手足にまとわりつく。
後ろから妙な気配がする。形容しづらい鳴き声が聞こえる。獣の声というより人の声に近いのだが、何を言っているのかさっぱり分からない。焦りに追われてただ走る。
そうして走っているうちに、坂の終わりが見えてきた。道の脇に小さな小屋がある。そこが地下道に続いていて、玄関には鍵がついていることを俺は知っている。あそこに逃げてやり過ごそう。
あと少しで追い付かれる、というところで俺は小屋に駆け込んだ(都合良く玄関の扉は開けっぱなしになっていた)。急いで扉を閉めようとしたが、何かに引っ掛かって閉まらない。途端、あれが腕を掛けて扉をこじ開けようとしていることに気がつきゾッとする。
それなのにあれの姿は何も見えない。気配だけだ。
半狂乱になりながら全力で扉を押すと、じりじりとせり合ったあと、どうにか扉を閉めることができた。しかし、相変わらず強い力で圧迫されている。それを押し止めるのに精一杯で、鍵を締めることができない。
どうする、どうすればいい?
悩んでいるうちに目を覚ました。
まだ明け方で、起きるには早すぎる時間帯だった。夢の中の恐怖がまだ俺の体に残っていて、びりびりと痺れるように手足が疼く。まだあれに追われているような気がして落ち着かず、身動きするのが怖かった。
目だけを動かして、ゆっくりと辺りを見回す。ごく普通の、夜明け前の平原が広がっている。何もおかしなところはない。俺はようやく安心して、溜め息をついた。
最近どうも、夢見が悪い。覚えているものは大抵悪夢だし、覚えていなくても嫌な余韻が全身に残っている場合が多かった。悪夢は何かに追われている内容がほとんどだ。
そう言えば、逃げたい何か、直視したくない何かがあると追われる夢を見るようになると聞いたことがある。
……逃げたいこと、か。心当たりがありすぎて逆に笑えてくる。前は、そう、今の島に来た辺りまではある程度向き合えていたはずなのだけれど、最近はもっぱら逃げてばかりだ。いい加減、潮時なのかもしれない。
そこまで考えて、俺はまた溜め息をついた。何故か白い呼気が出た。息が白くなるほど寒くはないのに、何度息を吐いても白かった。
寝起きで惚けていたからか、自分の息が吐き出す側から凍っていることに気がつくまで少し時間がかかった。
……雨露霜雪の制御がうまくできていないんだろうか? 確かにあれは水や氷を操る術ではあるが、それにしたって息に含まれる水分まで凍るもんなんだろうか。そもそも俺は凍らせる方は不得手なはずなんだが。
――まぁ、恐らくただ単純に「調子が悪い」のだろう。今は変な夢を見たばかりで心身共に疲れている。二度寝なり何なりして、体力回復に努めた方が良さそうだ。
そんな風に自分を納得させてから、俺は再び眠るべく目を閉じた。
今度は何も見なかった。
PR
この記事にコメントする
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
最新コメント
[11/25 1301PL]
[11/13 Sieg(前期711)PL/Basil(973)PL]
[07/29 SiegPL(711)]
[07/26 176PL]
[07/21 SiegPL(711)]
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
レンジィ=ア=イーオ@しのだ
性別:
非公開
自己紹介:
Eno.176
偽島にてパーティに参加中。
偽島にてパーティに参加中。
ブログ内検索
アクセス解析