61日目の断片：堂々巡り

　

（黒い手帳の端書き）

　今日は久しぶりの遺跡外だ。いつも言ったり書いたりしている気がするが、やっぱり外に出ると気分がいい。
　ただ、あんまりのんびり出来ないのも本当のところ。次に遺跡に入ったら、またベルクレアの連中がうろついている場所を通らなきゃならない。その先にある宝玉を守っているという話だから、宝玉を探す上で避けては通れない相手だ。
　うまいこと行ったら、宝玉についてもっと色々聞けたら、って思うんだけど……どうなるかな。
　第一、宝玉を手に入れたらどうすればいいんだろう。その具体的な話や噂を俺はまだ確認できていない。次に戦う連中が何か知っていればいいんだけど、もしそうでなかったら、俺はどうしよう？
　最近特に騒がしくなっている、島の下層を目指すしかないだろうか？
　でもそんなところ、敵も強いし、マナの影響も多いだろうし。俺一人のわがままに皆を巻き込むわけにはいかない。もう大分迷惑をかけちまってるけれど、これ以上は

（この辺りに何か書いて、すぐに消した様子。インクで汚れて判読不可）

　駄目だ、また考え過ぎた。
　ともかく、今は対策を立てるしかない。ベルクレアに勝つことだけを考えよう。
　宝玉を手に入れてからのことは、実際にそうなってから考えればいいことだ。

　焦っちゃならない。
　あと少しだから。
　あと少し。

（端書きはここで終わっている）